世界遺産の富岡製糸場がある富岡市の郊外にとてもユニークな駅名があります。
その名は南蛇井駅。
読み方は「なんじゃい」です。
「なんじゃい!」と思わず突っ込みたくなるような駅ですね(笑)。
読み方が難しい駅&珍名駅として今までに多くのメディアで紹介されているようです。
そんな南蛇井駅ですが、なぜこのような名前になったのか気になりますよね。
今回は南蛇井駅の名前の由来や語源について深掘りしていきます。
【南蛇井駅】名前の由来・語源は?
上信電鉄の南蛇井駅なんじゃい!#もふ散歩 pic.twitter.com/4M9xRJkM82
— もふけも ☀️🐕🚃 (@MFKM_WFWF) September 27, 2017
南蛇井駅の由来は諸説あります。
その中から3つピックアップしてみました。
南蛇井駅の由来・語源
・アイヌ語から由来している説
・泉から蛇が集まってきたことから名付けられた説
・音韻説
それぞれ詳しく見ていきましょう。
南蛇井駅の由来・語源1:アイヌ語から由来している説
一つ目はアイヌ語が由来しているという説です。
群馬『地理・地名・地図』の謎」という書籍を監修したの手島仁さんいわく、はるか昔、土着していたアイヌ民族の言葉である「ナサ、ナサイ」が語源となっているんだとか。
「ナサ、ナサイ」とは「川の幅が広い所」という意味です。
ナサイという言葉が古墳時代から中央集権国家成立の頃には「那射(ナサ)郷」に変化し、最終的には「なんじゃい」となり「南蛇井」という感じを当てたと言われています。
奈良時代にはすでに南蛇井氏という豪族がいたという記録もあるので歴史ある地名であることは間違いなさそうですね。
現在も南蛇井さんという名字の方がいらっしゃるのでもしかして奈良時代の豪族である南蛇井氏のご子孫なのでは?
南蛇井駅の由来・語源2:泉から蛇が集まってきたことから名付けられた説
南蛇井駅がある場所には鏑川(かぶらがわ)という川があります。
その鏑川の畔の南の方には温井(ぬくい)という泉があったそうです。
その泉は冬は暖かく夏は冷たいことから蛇が集まってきて暑さ寒さをしのいでいました。
駅員の深沢栄次さんはこのことから「南にある蛇が集まる泉(井)」で「南蛇井」となったという言い伝えがあることを教えてくださいました。
南蛇井駅の由来・語源3:音韻説
次に音韻が由来しているという説もあります。
「ナ」の音は土地を表し、狭いを意味する「狭(サ)」と合わせて鏑川沿いにある狭い土地を「ナサ・ナザ」と呼ぶようになった。
そこから「ナ」⇒「南」、「サ・ザ」⇒「蛇」となり、さらに周辺に井戸があったことから「南蛇井」となったというのです。
【南蛇井駅の基本情報】場所はどこにある?
そもそも南蛇井駅はどこにあって一体どんな駅なの?と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
南蛇井駅は世界遺産として知られる富岡製糸場がある群馬県富岡市の郊外にある駅です。
1897(明治30)年7月7日、上野鉄道に誕生しました。
上野鉄道は1921年に上信電鉄(上信電気鉄道)に改名され現在は高崎~下仁田間を走っています。
下仁田から出発して2番の駅が南蛇井駅です。
閑散としている時間帯は駅員がいない、レトロ感のある駅ですが、難読+珍名駅ということで、知る人ぞ知る駅なんです。
南蛇井駅でオキナグサが見れる
南蛇井駅には駅の名前以外にも有名なものがあります。
それは駅周辺に植えられているオキナグサ。
絶滅危惧種に指定されている貴重な花を季節になると見ることができるんです。
山を歩いた後に駅のホーム下の
線路に群生しているオキナグサを見に行ったよ枕木やレールの間から顔を出して
春を楽しんでいるみたいだね✨2018.3.25#南蛇井駅 pic.twitter.com/2VZCZyNlyc
— himawari@ (@sakonotwite) March 25, 2018
オキナグサはキンポウゲ科に属する山野草。
駅員さんいわく、元々は寄贈されたプランター植えのオキナグサの種が路線に飛んで駅周辺の路線などで見れるようになったそうです。
今は何も手入れをしていないそうですが、多年草なので季節になると勝手に芽が出て咲いてくれるとのこと。
気温の関係で前後はしますが、春先の4月中旬から5月初めの連休明け頃まで見ることができるそうです。
ちなみにオキナグサの花言葉は「清純な心」、「何も求めない」、「裏切りの恋」など。
駅の名前だけでなく、花も楽しめる素敵な駅ですね!
「南蛇井駅(なんじゃい)の名前の由来・語源を調べてみました!」のまとめ
今回は南蛇井駅(なんじゃい)の名前の由来や語源を調べてみました。
南蛇井駅の由来は:
・アイヌ語から由来している説
・泉から蛇が集まってきたことから名付けられた説
・音韻説
があります。
もしかして探せばもっと他の説も出てくるかもしれません。
一体全体、どの説が本当「なんじゃい」と言いたくなってしまいますよね(笑)。
でもこうやって真相を調べたり、語り合うのが語源や由来の楽しみ方なのかもしれません。